メランコリック
「本部から、昨日内示がきた」
私は相良の顔を見ず、うつむいて言った。
まだ、相良は知らないことを。
「ずっと希望してきた異動、叶うことになった。私、12月から本社の生産管理課に異動するんだ」
「ホントかよ……」
「これで……もう目障りにはならないね」
私は相良に微笑んで見せた。
相良に向かってきちんと笑ったのは、これが初めてかもしれない。
相良は私の左手をぎゅっと握ったまま、しばらく言葉が無かった。
瞳が信じられないというように揺れていた。
*****
私は相良の顔を見ず、うつむいて言った。
まだ、相良は知らないことを。
「ずっと希望してきた異動、叶うことになった。私、12月から本社の生産管理課に異動するんだ」
「ホントかよ……」
「これで……もう目障りにはならないね」
私は相良に微笑んで見せた。
相良に向かってきちんと笑ったのは、これが初めてかもしれない。
相良は私の左手をぎゅっと握ったまま、しばらく言葉が無かった。
瞳が信じられないというように揺れていた。
*****