メランコリック
年末は、実家である祖父母宅に帰った。
相良からは時々、思い出したようにメールが来る。
「元気?」とか「こっち雪降った」なんて他愛のない短文ばかりだ。

正直、私は戸惑っていた。

相良にはきちんと断った。
付き合うことはできない。

でも、相良は私から離れる気はないようだ。

どころか、新年2日には、こんなメールを送ってきた。


『俺、初売りでもう戻ってきた。おまえ戻るのいつ?今週中は短縮営業だから、メシ食おう』


二人での食事は何度も断ったのに。
全然堪えてない。

相良と付き合う気はない。

あんなに私を迫害してきたヤツが何を言ってるんだろうという想いもある。

しかし、それ以上に、私自身が他人と一生添い遂げることが想像できない。
あんな育ちがまるで違いそうな男ならなおさらだ。
私の抱える無情感には誰も近付かなくていい。
< 137 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop