メランコリック

「おまえが『あんたとは住む世界が違うオーラ』を出してきたからな。俺は、その程度の話でおまえを特別視したりしねーんだよ。つか、そういうのサムい」


「ふうん」


相良の回答はなんだか失礼だったけれど、相良らしく、そして私は相良が気を使った反応をしなかったことが嬉しかった。


「相良くんは？ご実家どこなの？何日帰れた？」


今度は相良が目を見開き、驚いた顔になった。


「おまえが俺に興味持って質問してきたのって初だな」


言われてみれば、そうかもしれない。
でも、相良の話を聞きたいと思ったんだから、しょうがない。
相良は笑った。
嬉しそうな微笑だった。


「俺は茨城。30日と31日だけ帰ったよ。去年も思ったけど、店舗勤めしてるうちは盆正月あんまり関係ないな」


「そうかもね。私も去年は帰れなかったし。っていうか、相良くんあんまり訛りないね」