メランコリック
「おまえ、茨城のヤツはみんな北関東訛りだと思ってんだろ」


「違うの?」


「概ね、訛ってるな。間違ってない。見せてやろうか、俺の真の訛りっぷりを」


私たちの前に注文のメニューが届く。
奇妙な夕食は、割とすんなり進んだ。

私たちはほどよい間で会話を続け、私は気詰まりに感じなかった。

夕食を終えると、相良は私を家まで送り、帰っていった。

不思議。
あの、相良駿吾との時間が楽しかった。

こんな気持ち感じたくなかった。

異性と居心地いい時間なんか過ごしちゃいけない。
私は一人の部屋で荷物をほどきながらうつむいた。



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