メランコリック
「えー、どうかなァ」
俺は渋った態度をとる。
兵頭さんはそこそこ可愛い。メイクも髪型もイマドキの女子だし、年上だけど、そんな風にも見えない。
強いて渋る理由を言うなら、『彼氏欲しい』感が半端無いってことくらい。冬に彼氏と別れて、半年以上彼氏ナシだから、最近は俺にターゲットを絞っている様子だ。
「どうかなって何よぉ」
「だって、俺、早番だもん。兵頭さんがレジ締めて上がるのまで何時間待てばいいわけ?」
「それなら、大丈夫だよ。また、あの女に頼めばいいじゃん」
兵頭さんが顎をしゃくって見せる。
その方向には藤枝汐里が接客中だ。
「遅番まで出てって言えば、あいつ断んないよぉ」
俺は何となく気分が悪い。
この女は多少なりとも先輩の責任感はないのだろうか。
遅番で出ている兵頭さんが早番で上がれば、彼女の勤務時間はほんの5時間ほどだ。
そして、藤枝の勤務時間は軽く12時間を超える。そういった勤務の日もあるけど、あいつはそんな準備で来てないだろう。
俺は渋った態度をとる。
兵頭さんはそこそこ可愛い。メイクも髪型もイマドキの女子だし、年上だけど、そんな風にも見えない。
強いて渋る理由を言うなら、『彼氏欲しい』感が半端無いってことくらい。冬に彼氏と別れて、半年以上彼氏ナシだから、最近は俺にターゲットを絞っている様子だ。
「どうかなって何よぉ」
「だって、俺、早番だもん。兵頭さんがレジ締めて上がるのまで何時間待てばいいわけ?」
「それなら、大丈夫だよ。また、あの女に頼めばいいじゃん」
兵頭さんが顎をしゃくって見せる。
その方向には藤枝汐里が接客中だ。
「遅番まで出てって言えば、あいつ断んないよぉ」
俺は何となく気分が悪い。
この女は多少なりとも先輩の責任感はないのだろうか。
遅番で出ている兵頭さんが早番で上がれば、彼女の勤務時間はほんの5時間ほどだ。
そして、藤枝の勤務時間は軽く12時間を超える。そういった勤務の日もあるけど、あいつはそんな準備で来てないだろう。