メランコリック
俺の頭の中はぐるぐるに混乱していた。兵頭の言葉が回る。


藤枝ガアンタノコト好キニナルワケナイジャン。


そんなことわかってんだよ。
俺がしてきたことで、藤枝の心に踏み込めないのなんてわかってんだよ。
俺の幼稚な片想いが一年半も藤枝を不快にしてきたというのに。

あいつの言う通り。
今更どのツラ下げて、付き合えだなんて。

藤枝、俺といたくないんだろうな。
迷惑してんだろうな。
やっぱり、離れた方があいつのためなのかな。

あいつは俺と関わりたくないから、本社に異動願いを出していたんだろうし。

無性に藤枝に会いたくなり、俺はスマホを取り出す。
衝動的に藤枝に電話した。

8回のコールで藤枝が出た。


「はい」


「藤枝?俺、相良」


「うん、知ってる」
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