メランコリック
「おまえさ、何に対して怒ってるの?」


言葉は自然と出たものだった。
しかし、それは割合核心に近いものだったらしい。
藤枝が顔色を変えた。


「わかったぞ。おまえ、周りに無関心なんじゃないだろ?色んなことを諦めている振りだろ?そうしなきゃやってこれなかったんだろ?」


「……うるさいな」


苛々した声が俺を拒絶しようとする。
やっぱりここが核心だ。俺は一気呵成に言い切った。


「おまえの根底にあんのって『怒り』なんじゃないの?両親への」


「黙ってよ!!」


藤枝の怒鳴り声を初めて聞いた。

藤枝の横顔をコンビニの煌々とした灯りが照らす。
怒りと憎しみを込めた燃えるような瞳が俺を見ていた。
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