メランコリック
慌てて落ちかけたモビールの片側をつかむけれど、その破片もまた糸が切れ、モビールはバラバラに床に散らばる。
「やだ……すみません」
兵頭さんが慌てた様子で、他のモビールをチェックする。
新製品なので、撮影用に少ししか出してきていない。
それら予備のモビールも糸が切れかけたり、完全に切れていたりした。
撮影はストップし、新しいモビールを用意するまで、場は白けたムード。
結局取材は、午前中うちには終わったものの、予定より大幅に押した。
取材のテレビクルーが帰った後、兵頭さんはスタッフルームで怒りをぶちまけることとなる。
怒りの矛先は、撮影用のモビールを用意した藤枝汐里だ。
俺と杉野もいる前で、兵頭さんは恫喝する。
「なんなのよ!あれ!なんで、全部のモビール、ブチブチ糸が切れてんの?ありえなくない!?」
ちなみに藤枝にモビールの用意を頼んだのは俺で、その糸を切れやすく細工したのは武藤と中村。
あいつらは今ごろ、店番のフリをしながら、スタッフルームでのやりとりに聞き耳をたてているに違いない。
「やだ……すみません」
兵頭さんが慌てた様子で、他のモビールをチェックする。
新製品なので、撮影用に少ししか出してきていない。
それら予備のモビールも糸が切れかけたり、完全に切れていたりした。
撮影はストップし、新しいモビールを用意するまで、場は白けたムード。
結局取材は、午前中うちには終わったものの、予定より大幅に押した。
取材のテレビクルーが帰った後、兵頭さんはスタッフルームで怒りをぶちまけることとなる。
怒りの矛先は、撮影用のモビールを用意した藤枝汐里だ。
俺と杉野もいる前で、兵頭さんは恫喝する。
「なんなのよ!あれ!なんで、全部のモビール、ブチブチ糸が切れてんの?ありえなくない!?」
ちなみに藤枝にモビールの用意を頼んだのは俺で、その糸を切れやすく細工したのは武藤と中村。
あいつらは今ごろ、店番のフリをしながら、スタッフルームでのやりとりに聞き耳をたてているに違いない。