メランコリック
昼休憩はひとりずつ取るけれど、30分刻みで入るので、誰かと30分かぶることはよくある。
ひとりになりたい私はたいてい外食か、近くの緑道のベンチで済ませる。

しかし、今日は突然の雨で緑道が使えなくなってしまった。
私の手の中には、朝買ってあったサンドイッチ。仕方なくスタッフルームで食べることにする。
ビルのテナント共同の女子更衣室からお昼を手にスタッフルームまで戻った。

間が悪い。

今日、私と休憩がかぶったのは、相良駿吾だった。

私がスタッフルームに入ると、相良は一瞥し明らかに嫌そうに顔を歪めた。


「おい、キモ女。ここでメシ食うのかよ」


冷淡な声音。面倒な男と一緒になってしまった。


「ううん、外に行くから」


私は逃げたいのでそう答える。サンドイッチの賞味期限は心配だけど、最悪は夕飯に回そう。お昼は外食だっていい。


「雨ん中食うのかよ」


「その辺でランチしてくる」


「じゃー、手に持ってるサンドイッチはどうすんだ」
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