メランコリック
だけど、頭に響く。


『おまえの喜びってなんだ?生きる意味ってなんだよ?』


余計なお世話だ。

私はひとりで充分。
誰も私の中に踏み込んでこなければそれで幸せ。


そう思いながら考える。

私が望んだ『ひとりで生きる』ことに意味はあるの?
私は本当にこれでいいの?

多くのことを望まないできた。

両親の間に愛がなくなったように、私が置き去りにされたように、長く続くものなんかない。

わかっているから、私の世界はこんな静かな凪の海になった。
見渡す限りの海原と水平線。


だけど、私の望みは本当にこれ?

物わかりのいい振りをして、泣く機会を逸しただけじゃないの?
< 90 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop