私達の永遠~それから

帰省

7年ぶりだろうか帰省した。

私は、正月、GW、盆、暮れの度に、自分だけ帰省するタクヤにいつも心穏やかではなかった。

しかもその休みの全てをだ。

少々寛大になろうと思っても、それでは穏やかになれない。

普段ケイに淋しい思いをさせても、ケイも私と二人きりで箱詰め状態が続くよりいいと、忙しく休みのないタクヤの所に通院帰りに寄り、掃除や洗濯をし、せめて顔を見たり話をする時間を作ってきた。

それなのに、私にはいつでも会えるからとタクヤは実家の家族や友達に会いに帰った。

休みの前日、仕事が終わったら荷物を取りに戻りその足で新幹線で帰り、休みの終わる前夜帰ってきた。

朝イチで家を出る約束を破って。
しかも帰れないと楽しい事がないと言い、キレて八つ当たりもされた。
帰省してる時位、実家の事だけ考えていたいからと電話はもちろん、メールの返事さえろくになかった。

それでは気持ちよく見送れるはずもない。
そうしようとしても裏切られる度、タクヤもタクヤの実家の家族や友達に対し憎しみがつのった。

優しく送り出しても、途端に連絡が取れなくなるので平常心でいられなくなる。

私は成長したユウの姿も、弱って年老いた母の顔さえも、遠く運賃もなく何年も見れないのに。

激しい言い争いが度々起こった。

そのうち、たまに今度の休みはこっちにいるよと言い出した。

喜んだが、でもそれは実は仕事が間に入り、長期で帰れないからのついでだった。

そして、帰れなかったからと休みをドカンととり実家に帰るのだ。
< 103 / 149 >

この作品をシェア

pagetop