私達の永遠~それから
タクヤの住む都会に引っ越して来て2年目の夏に、一度三人で私が住んでいた町に帰省した。

小旅行気分で、お墓参り、実家、ユウ、船で島に渡ったり、橋を見たりして、友達にも二人は会えた。

実は三人ではなく、知らなかったけど、お腹に三人目のタクヤの子供、つまりユウとケイの妹弟がいたんだけど、帰省から戻って間もなく流産してから知った。

私は記憶を封印した。
本能がそうさせた。
タクヤは胎児は命とみないので、一人で三度目の流産を抱え込むのは辛かった。


その地元に帰って来れる事になった。

心労から病気はますます重くなり、私は移動に車椅子が必要だった。

調べたら飛行機だと死ぬ程高いけど、東京駅から高速バスだと一人片道1万位だ。

ただ私にあの足のだるさが耐えられるだろうか。

病気が病気だから、エコノミー症候群になる恐れもある。

もちろん車椅子は送るから、電車のホームまで歩けないから東京駅のバス乗り場までタクシーだ。

溜め息が出た。

連絡が取れない不治の病の友達が実は亡くなっていた事がわかったし、母も衰弱しているし、大人になったユウに会いたかった。

人間なんていつ死ぬかわからないから、帰ったら必ず会いに来て欲しいと泣きながら言ったマスターとの約束も果たしたかった。

ケイが不登校だから連れて行けるし、ケイにもいい経験になるだろう。


でも先立つものがない……。

数年前から鬱にもなり、以前の自分を取り戻した実家の母が泊めてくれないので、ケイに実家も見せてやれないし、宿泊先もとなると大金が必要だ。
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