私達の永遠~それから
また次の日はユウにケイを預けて、タクヤと思い出の店にも行ってみたが、経営が替わっていて、私の好きな焼き立てのイカスミチーズパンは食べられなかった。


それも初めはユウがちょっとだけの時間にしてよと言っていた。

彼女と少しでも部屋にいたいらしい。

ユウに思い出の場所に行きたいからと言えば、

『タクヤはあまりこっち来てないんだから、思い出なんてたいしてないだろう』

と言ったので、なんだコイツと腹が立った。

「あんた私や自分の弟が世話になって、旅費や滞在費も出してくれて、送ってくれて、もういつ来れるかわからないタクヤをトンボ帰りさせて平気なんだ?

タクヤとお参りした水子供養のお寺とかも行きたかったのに。

彼女と5分でも長くいたいからって、半日も自由な時間あげないなんてね」

それでユウが半日時間をくれたのだが、どしゃ降りだし、思い出の店で食事とドーナツ屋でお茶してお土産を買い、ユウと合流した。


そしてユウの部屋で私の荷物を整理して、チキンを少し食べて、名産を少しカバンに入れてあげて、またもや発車の数分前に慌ただしくタクヤは駅に向かった。

無事に乗れたとのメール。

その数分後にユウが彼女がいないともう淋しいと言い出した。

不愉快だった。

事情で離れ離れになった母親と弟が、短期間だけど久しぶりにもう一度だけ一緒に暮らせると言うのに禁句だろう。


でもそれは始まりで、大変なのは、そこから私を待ち構えていたたくさんの事だった。
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