私達の永遠~それから
けれどもう一人の私の地元の親友(心友)は、私が来るのが遅かった為に、待ちくたびれ命が尽きて土の下に眠っていた。

お墓はバスも通っていないらしく、車椅子でタクシーで行っても高速やらで五万と言うから、お金がなくて今回は断念。
弱った友達のお母さんのお見舞いもしたかったのに。亡くなったお父さんのお墓参りや、病気に伏したお兄さんにも挨拶したかったし、墓石に抱き着いて、

「何でそんな冷たいとこにいるの?
出ておいでよ。
遅れてごめん」

と泣きたかった。

でも叶わなかった。

夜、必ず早く会いに来てと約束してたマスターに電話。

信じられない。
友達と同じ頃に心不全で死んだと言う。

ごめん。二人とも。
後一年半早く帰ってれば。

店は移転しており、知り合いが来る前の時間、やはり行きつけだった店でマスターのシゲちゃんと話をした。

それから新しい店を杖一本でかなり歩いて移動して、午前零時。

新しく店の名前も変わったカラフルのカウンターで、水割りを置いてマスターに、

『遅くなってごめん。間に合わなくてごめん』

と、涙を流して謝り、グラスを傾けた。

コウさんと話し、写真を撮ったりハグして別れた。

後で美穂さんからスタッフのK君の事情を聞いたりした。

やっと本気で愛した女は……で、怪我をして大変だったが今は店を持っているらしい。

皆はマスターが亡くなってから長いけど、私は聞いたばかりで泣かずにはいられなかった。

『優子ちゃん(源氏名)人間なんかいつ死ぬかわからん。
こっち帰ったら必ず、必ず会いにきてよ』


泣き咽ぶマスターに私ももらい泣きしたあの日。

マスター。まさか本当に死んじゃうなんて。
もう優子行く店ないよ。

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