私達の永遠~それから
絶対会いたいと思ってた友達のお母さんは危篤で、せめて自分達が病院に出向き一目会おうと申し出たら、翌日時間を割いて奇跡的に会えた。

長い月日は一気に吹き飛んで距離が埋まった。

近くにいればいろんな事もあるだろうけど、ただ思い出話だけじゃなく、今の話をする事が出来た。

昨日まで感じていた先輩や友との距離感が、その友達とはなかった。

もう最後かも知れないから、絶対顔を見ておきたかった。

また会おうねと何度も言って手を振った。

私の馴染みのマスターとも知り合いだった事も互いに知らず、マスターが亡くなってからそれを知った。

いつかカラフルにも行ってみようなどと話した。

あそこはステージが本格的に広くて気後れしてしまう。


ユウと打ち解けてやっと話していた夜、ケイが眠いのに眠れなくて飛び出そうとした。

理由がわからない私とユウは、ケイが迷子にならないように二人して止めた。

私は床に這って、両手でケイの足にしがみついて、ユウは、

『兄ちゃんが出て行くから、ケイはいろ。母さんが心配するから』

そう言い、三人で揉み合っているうち、ユウが過呼吸を起こした。

私の前では初めてだ。

私はケイにユウを布団に運べと言った。

そしてセルシンを飲ませた。

ユウがうわごとのように、ケイと私がいるかと呼び続けた。

私も辛くなって発作を起こし、ユウに気づかれないようにセルシンを飲んだ。


とんでもない修羅場みたいな夜になった。

ギクシャクした時間が過ぎ、ユウの彼女に事情を書いたメールを打つ。

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