私達の永遠~それから
私は長いけれど会った事も、話した事もない知人に電話をした。

何かないとかけないと、わかっているからか、電話に出て、自然な態度で受け身になり、話を聞いてくれた。

その人は年齢的にも既婚者なので、やましい事はないのだけれど、私の方で電話を遠慮していたのだ。

軽く話をして、万一の時は子供をどうしたらいいか尋ねた。

話し相手をしてくれて、たわいない話もしてくれて、まるでまたねと言うように、初めてではなかったように電話を切った。

文字であれだけ関わって会話した人は、生の声を初めて聞く事が出来、話しかければ答えてくれた。


携帯代は気になったが、お誕生日にへこんでいた私にケーキやCDを下さった人で、一度は時間を重ねたかった人だった。

穏やかな声をしていた。


かける直前には、ひとしきり泣いていたけど、気づかれずに済んだみたいだった。


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