私達の永遠~それから
タクヤには隠し事は基本しない。
だが、相手のある事はぶちまけはしない。

私はこの夜、いつものように話をしていた。

迷って、迷って口にした。

病気の事を。

この人はMさんと言うが、お兄さんがいたらこんな感じかなと言う年の離れ具合だ。

この人もお兄さんが亡くなった時、私に弱さを見せた。

涙声で話した。
悲しみを。

そして続いてお父さんが倒れた時も、救急車の中から私に知らせてくれた。

誰よりも一番に。

予想もせず、そのままお父さんが亡くなった時も、そのドアを出てすぐに私に知らせてくれた。

お姉さんや、お母さんより先に。


人には近い人より、遠い立場の人の方が言いやすい事がある。

身内に弱さを晒せない事だからこそ、取り合えず私に話したのだと思う。

ラウンジの明かりが消えた時、私はそれを考えて、その事をMさんに前置きしてから、打ち明けた。

その時辛かったいろんな事を。

明かりが落ちた途端涙声になった私を、まだ少し残っていた男の人達が背中で聞いていた。


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