私達の永遠~それから
タクヤは言った。

『嘘ついた』

タクヤは、私が元気になるかも知れないから結婚すると嘘をついたと言った。

『だからやっぱりなかった事にして。
結婚の約束は取り消す』

私は怒りに震えた。

「人の心を何だと思っているの?
結婚の約束を何だと思っているの?

そんなに軽いものじゃない!

あなたのした事は法律では、婚約不履行と言って慰謝料200万を支払う義務がある事なのよ?」

タクヤは笑った。

『冗談じゃないよ!
何でそんなの払わなきゃいけないんだよ!』

当時書いたメルマガに読者からタクヤに同情するメールが届いたが、私は今でもその事は取り消さない。

結婚とか婚約とか、軽く決めたりやめたりするような事ではない。

互いに約束したら責任を持たなければいけない。

タクヤはデートでも中止にするかのように、婚約を中止した。

私には生まれてそれまでのどんな辛い事も上回り、それから先のタクヤの妻として生きる人生を決断をしたそれら全てが踏み潰されたのと同じなのに。

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