私達の永遠~それから
タクヤと私の流れた子供は、当時オキザリスの鉢の中に埋めた。

そして私はそれを大切に膝に置き、飛行機で東京へと飛んだ。

しばらくタクヤの部屋に置き、寝起きして、タクヤが実家に帰省する時、土の一部を持って帰って貰い、タクヤの先祖代々の墓と、隣の水子地蔵の周りに撒いて貰った。

その同時期、私は更にパニクッていた。

タクヤの携帯に女を食事に誘うメールを見つけたからだ。

タクヤと交際中、私は何度も心が壊れた。

私に異性の友人や知人がいるのだからいいじゃないかと言う。

知り合う前からの仲だし、私はタクヤの存在は公言してあった。

それにタクヤが嫌なら全て事情を話して交流を絶つと言った。

だけどタクヤは私と交際しながらの時にわざわざ連絡先交換し、連絡を取り合い食事に誘っていたのだ。

あまりにも貞操の感覚が違い過ぎた。

存在を隠して、二人きりで何度も食事するのは私にはNGだ。

タクヤには何でもない事らしい。

ついでに言うと、ヒロもタクヤも生まれてくる前の胎児は人間でも命でもないらしい。

産婦人科では4ヶ月になれば人間として認められ、流産しても火葬が必要と言うのに。

男は体に宿さないから実感がないのか。

女は愛する人の子供が死んだら悲しい。

『過ぎた事は元には戻せない!
言っても仕方ない!』

タクヤは何を言ってもそう言った。

「それじゃ済まない事もあるよ。」

私はそう呟いた。

タクヤは、

『約束も、オレはその時はその気持ちだったんだから、破った事にはならない』

とも、言ってのけた。

「それじゃ約束自体が、この世に何の意味も存在もないよ」

私はまた呟いた。

『だけど愛してるし、一生離さない!』
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