私達の永遠~それから
無理なかったかも知れない。

私の中にヒロが生き続けている事を、タクヤは本能で嫌という程わかっていたと思う。

それから私は二人の男を同時に胸に住まわせた。

ヒロにもタクヤにも悪いと思いながらも、体は二つに出来なかった。

「ヒロちゃんがいて、ケイがいて、別れがあって、今の私がいるから。
その全部が私だから。

タクヤに会った時はすでにそれ込みの私だったから。
それは私の一部で、切り離せない」

そして私はこうも言った。

「結婚すると言ってくれた時は、ヒロちゃんを忘れられたの。
一生共に生きようと思った。

でも、裏切られたら無理だった。
やっぱり消せない。

だって、結婚もして子供も生んだ相手だから。
好きなまま裂かれたから、簡単には消えない」
< 76 / 149 >

この作品をシェア

pagetop