私達の永遠~それから
「もしもし……。
(私とヒロの名字)さんのお宅でしょうか?」

『お宅誰?』

「(私とヒロの名字)です」

『ああ?誰?』

ヒロの母親が出てそんなやりとりを数回繰り返した。

「養育費が入っていないのでお電話したんですが」

『ああ、何日かうちには工面して振り込みます』

「養育費はヒロさん(実際には君づけ)が払ってるんじゃないんですか?」

『あの子もひとりで仕事も不安定なもんだから……』

(ひとり…?
仕事…不安定…?)

『お宅、元気なんですか?』

「あれからますます体を壊しましたが、今は一時期よりは落ち着いています」

『正しく生きていたら病気も良くなります!
子供もあなたを見て育つんですから!
ちゃあんと生きて、正しく生きれば病気も治りますよ!』

(ちゃんと生きてますよ。
我慢、我慢)

『今どこに住んでるんですか!』

(言わなきゃいけないのかしら?)

『お宅、今どこにおられるんですか!』

「○○○です」

『○○○!?
なんでそんなとこにいるんですか?
(実際には方言)』

(そんな事も言わなきゃいけないのかしら?)

「そちらで辛い事があったので、○○に叔父がいますので、心機一転遠くに引っ越しました」

(県名だけなら大丈夫か?)

『○○○のどこにいるんですか!』

(向こうは連絡先も教えず親に電話しなければいけないのに不平等じゃないですか?)




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