我妻はかごの中の鳥

◆◆◆


それから二日後。

俺は瑠璃(&歌月)の家の最寄り駅にいた。

待ち合わせ場所は、フルーツヨーグルトをぶちまけたような変な銅像の前。

駅前ということもあってか、かなり人通りが多い。



思わず、帽子を低めに被る。



この帽子は白髪を隠すためのものだ。

あまり、人に見られていい気分のものじゃない。

ついでに言えば黒いサングラスも、外に出掛ける際は必須品。

青い目すら隠したいのだ。



いつもだったら電車でなんか絶対に行かない。

だけど、弥生の会場が電車でないと不便な場所だったから仕方がないってわけ。

車だったら誰もいないから、移動中に気を使うことはないのに。


はあ、とため息をつきながら、いやいや瑠璃のためだと気を持ち直す。


「すみませぇん、ちょっといいですかぁ?」


いつの間に近づいたのか、茶髪の女の子二人が話しかけてきた。

どちらも若干プリンになってる、露出度の多い服装だ。

昨今の女の子はお洒落だなあ、なんて考える。


「なんですか?」

道でも聞きたいのか、と笑顔で返す。

俺、人見知りだけど人当たりのいいタイプだから。

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