我妻はかごの中の鳥

こんな美少女の考えがわかる俺、羨ましいだろうそうだろうとにやける。

「え…?…この人女の子の考え一瞬でわかってんだけど……怖っ…」

「いやまて、この子なに?彼女?」

あたふたしてる彼女らに、どや顔で瑠璃を差し出す。


「妹だ!」


ふわふわとした女の子らしいロングスカートという格好なため、風になびく。

ううむ風になりたい。

「な、なんでこの人どや顔なのぉ……?」

「あっ…でも待って、やばいこの子超可愛い!」

一人が瑠璃の美しさを理解してきたため、急いで背に隠す。

深入りされたらやばい。


「ん?」


くいくいと袖を瑠璃に捕まれた。

この人たち誰?と聞いてるらしい。

「ああ、なんか話しかけてきたドーナツを共に食べたいって言う子達で、」

「あああ!い、いえ!もう大丈夫です」

「ら、ラミ!行くよ!?」

ぱたぱたとあわただしく去っていく彼女たち。


…何だったんだ?

昨今の女の子たちはちょっとよくわかんないや。


「何だったんだろうねぇ瑠璃ちゃん」

「……お兄ちゃん、今のナンパだよ」

ぼそぼそと、少しだけふてくされたように言う。

「は、い?」

「…だからナンパだって。……気づいてなかったの?」



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