我妻はかごの中の鳥
「お前は仕事大好き人間だかんなー」
「そーなの。だから……はあ…瑠璃ちゃん助けて大好きぃ…」
弥生は仕事が大好きだ。
だからこそ、自分が好きな場所にいさせてくれるファンには、特に思い入れが強い。
万全じゃない自分を見せたくなくて、落ち込んでるわけだ。
「…鈴花さん、好きな食べ物はなんですか?」
瑠璃がぼそりと質問をしてきた。
好きな食べ物ぐらい、瑠璃なら知ってるだろうに。
「え?ああ…西京焼き関係」
「好きな本は?」
「本より雑誌が好き。本何いってんのかわかんないしだるい」
「弥生、俺に対する当て付けかぁああ!」
「好きな動物は?」
「ヘビと猫」
「好きな人は?」
「自分を好きでいてくれる人」
4問の質問を終えた瑠璃は、そっと弥生の腕から離れて向き合った。
随分と背の高い彼女を見上げ、頭に手をそえる。
ふわふわの茶髪に白い手が埋まって、頭を撫で始めた。
「……皆が好きな鈴花さんだね」
よしよしとあやすように撫でる。