我妻はかごの中の鳥

確かに目立つ見た目。

だが、それを差し引いても美しい容姿。


お人形のように気高くお上品で、それでいて愛らしい。


そんな彼女がモテない訳がないんだ。

唇を尖らせるな、唇を。

「…歌月にだけモテたいとかそーゆー事言っちゃうわけ?」

「…悪い…の?」

……え、本当かよ。


んなんだよ、一途すぎんだろ。

ちょっとイライラが生まれるが、そんな一途さも瑠璃の魅力だろうと飲み込んだ。

「…お前ら本当にラブラブだよなあー、見てて非リアな俺ムカつく」

「……?」

よくわからないらしい瑠璃は、無表情で首を傾げた。

その時に丁度、二つのパスタが届いた。

メモを置いた野郎だったため睨んでおく。地獄に落ちろ。

「……いただきます」

「いただきます」

鼻孔をくすぐる、甘いミルクの香り。

フォークで絡めて口に運ぶ。

…む、店員は最悪だけど、味はうまい。


瑠璃も気に入ったらしく、無表情の部類で嬉しそうな顔をする。

「…あ、ねぇ瑠璃」

思い出した事があり、瑠璃に聞いてみようと思った。

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