我妻はかごの中の鳥

ニマニマしてると、瑠璃がそっと俺を覗きこんできた。

「……」

じっといきなり見つめられ、戸惑う。

俺の顔からなにかを読み取っているようだ。


夜空を切り取ったような瞳に、吸い込まれそうになった。


「…る、瑠璃さん?」


居心地があまりよくなくて、つい名前をよんでみた。



「…お兄ちゃん、こ、怖いよね…」



「はい?」


恐る恐る、というように聞いてきたから、聞き返してしまった。


なんだなんだ?瑠璃は何を望んでるんだ?


「…ひ、人、怖い?」


「なあに?別に瑠璃のためなら怖くないよ?」


「……」



あれ、俺今萌え発言したつもりなんだけどな。

なんでそんなに瑠璃ちゃん不服そうな顔してんだ?


今まで経験したことのない反応に、好奇心が渦巻いた。


新しい瑠璃を知れるのは幸せだ。

どんなことを考えてるか、愛しい瑠璃に一歩近づけるから。



「………こ、怖いの。お兄ちゃんは」



き、決めつけられた!?


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