我妻はかごの中の鳥
確かに俺人見知りだけど、瑠璃のためなら我慢できなくもないくらいの微量なものだし…
人見知りなあまり、中学の入学の時に『私友達いらないので』発言をした瑠璃よりかは軽い。
「…こ、わいから、こうしてあげる」
無表情で、瑠璃にしては勢いよく声を出す。
そして、俺の手を取ってから――瑠璃の指に絡めた。
細く白い指が、俺の間に納まる。
だんだんと瑠璃の冷たい指が、俺の温もりに染まっていくのがわかった。
「な、瑠璃っ」
いきなりな行動に、ちょっと戸惑う。
瑠璃さん何がしたいの?
「……こ、わくないでしょ」
ほんのすこし、嬉しそうに唇を曲げた。
花がこぼれたように笑う。
無表情を崩した瑠璃は、この世のものとは思えないほど美しい――
「……」
思わず、見惚れてしまう。
一瞬の笑みに、微笑みに。
瞼に焼き付いたそれの、美しさに。
そして、瑠璃の考えがわかったときの快感に。