我妻はかごの中の鳥
無表情を髪で隠しながら、瑠璃は開き直った。
「だめって…」
「……お兄ちゃんと手ぇ…繋ぎたかったんだもん」
きゅ、と絡みを強くする。
俺の熱により暖められた手が、心地よかった。
「……おうちまで、こうしちゃ……だめ?」
上目使いの瞳に俺が移った。
「…っ、」
可愛いじゃ表現しきれない愛情に、たまに溺れそうになる。
反則すぎる瑠璃の愛らしさに、ため息をついた。
「瑠璃は甘えん坊さんだなあ」
「……」
瑠璃は、心なしか嬉しそうに髪の毛をいじる。
お揃いの白髪に、笑みがこぼれた。
――初めてあったとき、瑠璃は中1で俺は高2の時だった。
妹の存在だけは知っていた俺は、彼女に会えたことが嬉しくて。
白髪がひとりぼっちじゃないことが、どうしようもなく幸せで。
お揃いの白髪、お揃いの瞳、お揃いの容姿。
全てが愛しくてたまらなかった。
花が開花するが如く心を開いていく瑠璃に、喜びを抱いた。