我妻はかごの中の鳥
普通の一般人でも、崇高な存在と感じとるものでもあるのか。
大体20人くらいが瑠璃の半径10メートルを囲むように集まっている。
普通の美少女とかなら、ナンパなどの目当てとしたゲスい奴等が寄ってくる。
が、こういう近寄れない雰囲気の美少女は、こんな感じに世間に騒がれるのである。
変なカルト集団みたいだ。
ちなみに、兄である伊織もこうなるときがたまにある。
『なんか視線が…』
『気のせいじゃない?』
『だよねー…さ、行こ』
視線が、だけで片付けてしまう伊織は、どうやら鈍感や鈍さを通り越してバカらしい。
さて、瑠璃を救出に行こうとしたそのときだった。
「…あのっ」
若い男の声が聞こえた。