我妻はかごの中の鳥

「え、その…」


困った柔男は、視線をさ迷わせる。

周りの柔男への視線は、敵視になっていた。


「人の女に手ぇ出すなんてサイテー。なあ?」

「信じらんね」


仲間らしい赤茶色の髪をした男が賛同する。

「……」

小さく首を振った瑠璃だが、黙りなため意思は伝えられてない。

呆然とした美しい夜空色の瞳は、“拒絶”を持っていた。


違うと言えばいいのに、言えない。




その姿に加虐心がわいてしまった。




「…やっぱ俺おかしいよなぁ…」


自分のものという安心感からか。

瑠璃を知りたいという知識欲からか。


どんなシチュエーションで、どんな反応を示すのか。


極限まで瑠璃を知りたいと思ってしまう。

瑠璃に魅せられすぎておかしくなってきてるのかもしれない。


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