我妻はかごの中の鳥


「ん…あ…」


ふぁああ、と欠伸をして。

動物みたいにぽうっとした瞳で、俺を見つめた。


「あ…ああ、起きたか。おはよう」


「…」

くい、と目を越すって。

まだとろんとろんとしている。


「…いつ帰ったの?」


「今さっき。お土産買ってきたから、食べて」


じ、と机の上の紙袋を見据える。


「寝るならちゃんとベッドで寝な。風邪引くから」


こくん、と頷きながら、抱き抱えていた本を机の上に置く。


「…ご飯」


作らなきゃ、と言いたげにキッチンへと向かう。


さすがに俺はそこまで無情じゃない。



「いいよ、俺が作る」



「……」

でも、と目を迷わす。


いいから。

瑠璃はもう少し寝てろ。


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