我妻はかごの中の鳥
外の世界は、彼女を少しずつ確実に傷つけていく。
抗って前に進めば、必ず彼女は傷を負う。
守りたいから籠に閉じ込めたのに、たまに出ればこれだ。
また外は平気で瑠璃を傷つけようとした。
あの男たちが瑠璃になにを企んでいたのかはわからない。
ただ、瑠璃を傷つけることは間違いないだろう。
そんな外に向き合おうとする彼女を純粋に尊敬する。
進もうとする瑠璃を偉いと思う。
誰がそんな瑠璃を責められる?
何回も何回も裏切られて傷つけられて、今にいたって。
それでも進もうとする彼女を誰が否定できる?
瑠璃大好きな俺が、できるわけがない
むしろ、たよって欲しいとまで願う。
すなわち、信頼されているっていうことだから。
「よくがんばったよ、本当」
頭を撫でれば、眩しそうに片目を閉じる。
愛しさが溢れる。
「でもね?瑠璃」
「…?」
「もう少し男どもには強気になろうね」
「……」
だって、気が気じゃないんだ。
(完)