我妻はかごの中の鳥
そして、こうも思うのだ。
瑠璃にとって、俺は依存の対象だろうか、と。
こちらがどれほど彼女を愛していても、それが彼女と同じとは限らない。
不安になるのだ。
瑠璃を信じてやりたいと思うが、何しろ美しすぎるから。
高校時代は神とまで崇められ、ファンクラブがあったほど。
年を重ねるにつれ、瑠璃の魅力は上がっていく。
大学でも、彼女に魅せられてファンになる人はいっぱいいるだろう。
まさに奇跡のような美しさ。
三大美女だってきっと叶わない。
かごの鳥が急に不安になり、つい力を入れて抱き締めた。
逃げないで、と。
どうか俺の腕の中にずっといて。
そうすれば、俺はずっと瑠璃を離さないから。
「…ん?」
そこで違和感に気づいた。
シルクのような滑らかな肌に、いつもとは違う熱を感じる。
「瑠、璃…まさか」
そうっと輝く前髪をはね除けて、その奥の額に指をかざす。
いつもより熱を発す体に反比例して、俺は真っ青になった。