我妻はかごの中の鳥
香料を加えた薬を手元に食事再開。
あーんといえば口を開くのを続けていると、伊織の視線に気づいた。
「何?」
「あ、いや…なんかこーゆーのってさー、バカップルに見えるもん…じゃん?」
なんでそんな言いづらそうなんだ。
「だけどお前らは、猫とご主人様、みたいに見える」
「…ご主人様」
私?と指を指す。
いや、普通に考えて…
「歌月がご主人様で、瑠璃が猫」
だよな、やっぱり。
面白くなさそうな顔をした瑠璃だけど、あーんとすれば口を開いた。
「…いいなあ」
「伊織、お粥食いたいの?」
「あーんって瑠璃にしたいー」
「このシスコン野郎」
呼ぶんじゃなかったと今更ながらに後悔。