我妻はかごの中の鳥


香料を加えた薬を手元に食事再開。


あーんといえば口を開くのを続けていると、伊織の視線に気づいた。


「何?」

「あ、いや…なんかこーゆーのってさー、バカップルに見えるもん…じゃん?」


なんでそんな言いづらそうなんだ。


「だけどお前らは、猫とご主人様、みたいに見える」

「…ご主人様」


私?と指を指す。

いや、普通に考えて…


「歌月がご主人様で、瑠璃が猫」


だよな、やっぱり。

面白くなさそうな顔をした瑠璃だけど、あーんとすれば口を開いた。


「…いいなあ」

「伊織、お粥食いたいの?」

「あーんって瑠璃にしたいー」

「このシスコン野郎」


呼ぶんじゃなかったと今更ながらに後悔。
< 27 / 140 >

この作品をシェア

pagetop