我妻はかごの中の鳥
会社につき、タイムカードを押す。
殺風景な社内の殺風景な箱…もとい、エレベーター。
上司である課長がいて、同じ階に向かう。
「おはようございます」
「あっ!ひ、日向くん!?」
キャリアウーマン丸出しなスーツを来た彼女、三好(ミヨシ)さん。
若さにしては押さえぎみの格好をした彼女は、俺の存在に気がつかなかったのか驚いた声を出す。
「昨日はすいません」
「あ…い、いえ…大丈夫よ。何があったの?」
「急用です」
さすがに嫁のためとは言えない。
瑠璃の存在は隠してるし。
「…そう」
ふ、と顔を下げる。
「…日向くんは真面目ねぇ」
ふいに誉められた。
「へ?ありがとうございます」
「あらいいのよ、ただ…もうちょっと不真面目でいてほしいなー…なんて」
えへへとよくわからない笑いかたをする上司。
…さて、彼女はなにをいいたいのやら。