我妻はかごの中の鳥
◆◆◆
…薬は効いたみたいだ。
こんこんと眠るお兄ちゃんの白髪を軽くなで、確認する。
よし熟睡。
コーヒーに混ぜれば睡眠薬の匂いは消える。
「…ごめんねお兄ちゃん」
無関係とはいえ巻き込んでしまった。
それに、歌月のいいつけを破って薬品棚を触ってしまった。
ああ、悪い子だ私。
嫌われちゃうかもしれないと思い、かぶりをふる。
――ううん、とっくに。
私は歌月に嫌われてるもの。
厚手のコートを着こんで、目立つ白髪を隠すようにニット帽を被る。
こうして久しぶりに私は駕籠から出たのだ。
…薬は効いたみたいだ。
こんこんと眠るお兄ちゃんの白髪を軽くなで、確認する。
よし熟睡。
コーヒーに混ぜれば睡眠薬の匂いは消える。
「…ごめんねお兄ちゃん」
無関係とはいえ巻き込んでしまった。
それに、歌月のいいつけを破って薬品棚を触ってしまった。
ああ、悪い子だ私。
嫌われちゃうかもしれないと思い、かぶりをふる。
――ううん、とっくに。
私は歌月に嫌われてるもの。
厚手のコートを着こんで、目立つ白髪を隠すようにニット帽を被る。
こうして久しぶりに私は駕籠から出たのだ。