我妻はかごの中の鳥
「そのかわり駕籠の中にいてもらうけど…ね」
俺と関係を続けるというならそうなる。
と、いうより。
俺が瑠璃を愛してる間は必然的にそうなってしまう。
危なくないように。
瑠璃の存在が、黒いものとならないように。
もっとも俺が瑠璃を嫌いになるなんてこと、万にひとつもありえないけど。
「…指輪と交換条件?」
「んー…まあ、瑠璃がそう思いたいならそうでもいい」
指輪をやるから大人しく家にいろ、みたいな。
ずいぶんわかりやすくしたな。
「…や」
「いや?」
瑠璃にはどのような指輪が似合うのか。そう思案しながら指をみつめていたら。
急にそんな声が聞こえたから驚いた。
「…歌月はわかってない」
「そ、外に出たいの?通信制の大学は嫌だとか?」
無理な話じゃない。
自由に、とは言えないが、それなりに誰かがいるなら。
例えば、伊織と住まうとかならば。
実際、高校時代はそうしていたし。
「…違う、違うの」
ううん、と首を振る。