我妻はかごの中の鳥
◆◆◆


それからしばらく寝て、体調が落ち着いたところで歌月と帰った。

丁度歌月も仕事が終わったらしく(そんな時間まで寝てた私。しかも会社の仮眠室で)、ベストタイミング。


「……ありがとう、ございました」

バリバリの人見知りな私は、消え入りそうな声で三好さんというらしい上司さんにお礼を言った。

仮眠室借りたんだもん、仕方ない。

ポカンと口を開けて、三好さんは私と歌月を見比べる。


「あ…の、えと、えぇぇ!?ちっさ…小さくない日向くん!!」


ぐさり。

た、確かに4歳も年下ですし、背も平均より低いですけどっ。

叫ぶことぁないじゃないですか。


「…あ、ぅ」

歌月の後ろに隠れると、三好さんは「あ、ごめんなさい」と弁解してきた。

「あの、若いなあーって言いたかっただけで、その…日向くんはロリコンなのかしら」

「ろ、ろりこ…?」

「三好さん何いってるんですか。瑠璃、わかんなくていいから」

「しっかし綺麗な子ねぇ…芸能人か何か?」

無視したよこの人。
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