我妻はかごの中の鳥

今日はクリームシチューとパンとサラダと、…なぜ干物?


「…瑠璃、干物」

「……お兄ちゃんから貰ったの」


伊織また来たのかよ。


湯気がたつそれをみて、瑠璃をあまり待たせなくてすんだことに嬉しくなる。


一通り着替えが済んでも、まだ瑠璃は顔を埋めてた。


「俺帰って来てから、瑠璃の顔ちらっとしか見れてないんだけど」

ぴく、と反応。

しかしまだ顔をあげようとしない。


「…か、づきが。いきなりするから……熱いのが引くまでやだ」


訳せば。

俺の不意打ちのせいでまだ顔が赤いから、熱が引くまで顔はあげないと言ってるらしい。

この間髪にキスした時は平気じゃん…あ、でも前からだから不意打ちじゃないのかな?

基準がよくわからない。


まあでも。

「俺のせい?」

俺で恥ずかしいと思ってくれてる。

それにどうしようもなく満たされた。



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