我妻はかごの中の鳥
引っ張ってる意味はわかるので、なすがままに。
リビングにつけば、箱を差し出される。
段ボールで、中身は間違いなく頼んだキャラメルだ。
届いてたよ、と教えたかったのだろう。
首をかしげてるあたり、中身が知りたいご様子。
礼の代わりに頭を撫でれば、片目が軽く小動物のように瞑られる。
とりあえず、ご飯食べたら瑠璃で遊ぶか。
今日の夕飯は豚の角煮だった。
曰く、「お兄ちゃんに明日会うから、好物をもっていこうかと」らしい。
ふつふつと嫉妬が沸く。
本人は自覚してないみたいだが、かなりのブラコンだ。
ブラコン+シスコン。
また伊織に会いに行くのか…。
イライラを隠すのはつかれる。
そのぶん、瑠璃をどう料理するかの思考が悪化していく。
彼女を前にして、変態になるのに時間は要さない。