我妻はかごの中の鳥


引っ張ってる意味はわかるので、なすがままに。

リビングにつけば、箱を差し出される。


段ボールで、中身は間違いなく頼んだキャラメルだ。


届いてたよ、と教えたかったのだろう。

首をかしげてるあたり、中身が知りたいご様子。

礼の代わりに頭を撫でれば、片目が軽く小動物のように瞑られる。


とりあえず、ご飯食べたら瑠璃で遊ぶか。



今日の夕飯は豚の角煮だった。

曰く、「お兄ちゃんに明日会うから、好物をもっていこうかと」らしい。

ふつふつと嫉妬が沸く。

本人は自覚してないみたいだが、かなりのブラコンだ。

ブラコン+シスコン。


また伊織に会いに行くのか…。

イライラを隠すのはつかれる。


そのぶん、瑠璃をどう料理するかの思考が悪化していく。


彼女を前にして、変態になるのに時間は要さない。
< 82 / 140 >

この作品をシェア

pagetop