我妻はかごの中の鳥
「…」
キョロキョロと周りを見渡して、たたたと俺に近寄り。
お目目を固く瞑って、胸に飛び込んでくる。
背中に手を回し、体の密着度を高くする。
豊満な胸が、華奢な肩が、体にフィットすることで、温もりが伝わってきた。
ま、これくらいならやるだろう。
思い通りになるのが快感となっている俺は、箱からキャラメルを一つ手に取ると、己の口に啣えた。
「!?」
見上げていた目が驚愕に染まるが、他のやつらから見ればただの無表情の部類に入るだろう。
啣えられたキャラメルを悲しそうに見つめる瑠璃。
目線を瑠璃に合わせて軽くしゃがむ。
「ほら、とっていいよ」
「っ、」
ようやく意味がわかったらしい。