我妻はかごの中の鳥
「…か…っぅ…」
名前を呼んでるつもりらしいが、呼べてない。
キャラメルの味を共用しているのが嬉しくて、もっと深くまで瑠璃を食らう。
――たぶん、世界一の美女であろう彼女を。
「…ダメだ、やっぱり」
もうキャラメルで釣るのなんかどうでもよくなってきた。
「…?」
無表情で息を荒げる彼女の、背中と膝の裏を抱える。
トロンとした目付きだった瑠璃も、そのお姫様だっこの衝撃で目を丸くした(でも無表情の部類)
餌で釣る前に、俺が耐えられない。
こんな瑠璃を見ていて耐えられるやつなんかいるか。
ベッドに瑠璃を寝かせば、状況の理解に勤しむ。
「かづ、」
ようやくわかったのか、無表情で目を見開いた。
「…え…」
頭を抱えてため息。
呆れてもいい。
なぶってもいい。
俺は瑠璃に夢中なのだから。
本当、こいつはわかってるのか、わかってないのか。
「…電気」
どちらにしろ、そういう瑠璃には叶わない。