我妻はかごの中の鳥
◇◇◇


翌朝。

俺が起きれば、隣には当然のように彼女がいた。


白髪が朝日に照らされて綺麗。


思わず撫でれば、軽くみじろぐ。

反応した彼女が愛しくて仕方ない。


細いうなじに、赤い独占欲をちりばめておいた。

実兄だろうが渡さない。



「……」


ふわりと白い睫毛が浮いた。

つられて開く、宝石のような瞳。

花が開花するが如く目覚めた瑠璃は、俺を意識に認識する。

もそりと起き上がって、ピシッと二の腕を叩かれた。


え、なんで。


「瑠璃?」


「…」

ピシッ、ピシッ。

全く痛みはないが、意味のわからない行動にはてなしか浮かばない。


睫毛がほんのすこし下がってることから、きっと怒ってることはわかる。

でも何に?


「どうかした?」


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