我妻はかごの中の鳥
「…キャラメル、頑張ったのにぃ…」
心底気にくわない、という顔である。
ああ…なるほどね。
訳せば。
【キャラメルを得るために、抱きついたりキス間際なことまでしたっていうのに、
結局はキスや夜明けまで続いた…で、うやむやにされた。
どうしてくれる、老舗和菓子店なのに】
らしい。
結局は 俺<キャラメルか…
ため息をつきたくなる中、箱を持ってきてやる。
細工の施されたキャラメルを瑠璃の口の中に放り込めば、無表情をほんのすこし驚きに染めた
そのあと、嬉しそうに頬のみをなんとなく赤くする。
基本無表情なせいか、ちょっとの変化がわかってしまう。
それは時を共にすればこそ。
旦那ならではの特権に、つい頬の筋肉が上がった。