我妻はかごの中の鳥
さあ、二度目の電話だ。
取り乱さないようにうまくやらねば。
――俺にはある狙いがある。
聞きたい、ぜひとも聞きたいんだ。聞きたすぎる。
「瑠璃、行きたい?行きたいの?」
『…』
こくんと頷く気配がする。
無人の部屋で携帯片手に頷いてんのかな、何この子可愛いすぎる!
俺なら隠しカメラ設置するな。
歌月やってねぇのかな、今度聞いてみなきゃ。
「じゃあさ、言葉に出しておねだりできるようにならなきゃね?
お兄ちゃんとしては、いつまでも瑠璃を甘やかしてやりたいけどさ。
そうはいかないだろ?
だからほら、自分でお願いしてみな?」
さあ、言え、言うんだ瑠璃!