我妻はかごの中の鳥


『…』


暫しの間。

瑠璃にとって長時間喋るのは苦痛らしい。

“自分を出す”のを恐れる瑠璃は、必要以上に我慢する。

わがままも一切言わない。

いつも静かに、無感情にがモットーだ。


そんな瑠璃が珍しく望んだんだ。


行かないわけないじゃないか。

もちろん、行かせるには行かせるさ。

ただ、ちょっと聞きたい言葉があって意地悪をしてるだけで――



『おに、ちゃん…

……あのね……い、いきたいの、いかせてぇ…?』



うがぁあああああああ!?
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