Honey♥Bitter



「……あのストラップ、スマホにつけてんだな」



「うん。 いつも持ち歩けるようにね…」




「…………」



「…………」



しばらく沈黙が続いた



その間、あたしは観覧車から見える綺麗な景色を眺める




「ねぇ…」
「なぁ…」



偶然にも重なった2人の声



「……何?」



真っ直ぐな視線



ドキドキ…



「……ううん、何でもない。」


「あっそ…」



思う事はただ1つ。



ずっとこんな時間が続きますように…



そのまま観覧車はゆっくりと一周した





「今日はありがとね……」



ライトアップされた大観覧車を背にして
ゆっくりと並んで歩き出すあたし達



「あぁ…」



終わりの時間が近づいて来る



「すっごく楽しかった。」



「………………」



「ぁ、そうだ…


あたし奈々に電話、……………」



鞄からスマホを取り出そうとした時だった




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