多分、君は僕のことが嫌い。
遠足
階段を降りてゆく。
1段、1段降りる度に廊下にいる生徒たちの話し声が段々と大きくなってくる。
"あぁ、また現実が始まる…。"
うんざりしながら、僕は一歩ずつ現実に近づいて行った。
現実の中に足を踏み入れた途端、辺りに響き渡る女子共の黄色い声。
毎朝毎朝、キンキンとうるさくて困っている。
"今日もうっせーなぁー。"
「アヤ、おはよぉ〜。」
名前も知らない先輩からの挨拶。
"ちっ…。馴れ馴れしいんだよ、糞女。"
という本音を笑顔という仮面の下に隠しつつ、
「おはようございます。」
と、返す。
また辺りに響き渡る
「「「きゃーー‼︎‼︎‼︎」」」という騒音。
"まじで、迷惑以外の何物でもねぇよ。"
「アヤ先輩、おはようございまぁーす!」
「アヤ君、おはよぉーう!」
廊下を歩く度に声をかけられる。
3回に1回位のペースで挨拶を返しながら、騒がしい廊下をスタスタと歩いていく。
早足で向かった先は2-3と書かれたプレートが掛かっている教室。
僕のクラスだ。
教室に入ろうとドアを開けると、
「「「きゃー‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」」」という忌々しい騒音が廊下まで響いた。
"あぁ、ウゼェ………。
女子って、なんでこんなにうるさいんだろう。"