多分、君は僕のことが嫌い。
「アヤくん、おはよぉ〜!」
メイクが濃ゆいギャルっぽい女が手を振りながら寄ってくる。
どっから出してんの?ってツッコミたくなるくらいの高い声。
"だれだっけ、この女?
てか、馴れ馴れしく名前で呼んでんじゃねぇーよ。"
「…おはよ。」
名前が分からなかったから変な間が空いてしまったが、そこは得意の作り笑いでカバーする。
「ねぇ、アヤく〜ん。
今日こそ放課後デートしてくれる
よねぇ〜?」
ニッコリ笑顔でスルリと僕の腕に自分の腕を絡ませながら、上目遣いでそんなことを言うギャル。
"なんで、いちいち語尾を伸ばすわけ?
てか、そんなに胸に押し当てられても
興味ない女の胸なんて興奮しないから。"
ギャルのわざとらしい話し方に苛立ちを覚える。
「ごめん、今日は予定が入ってるんだ。
だから、また今度ね?」
さりげなく腕を抜きとり、笑顔で断った。
「そっかぁ〜。
じゃあ〜、また今度ね?絶対だよぉ〜?」
また上目遣いで言ってくるギャル。
"いい加減しつこい。"
「ほんと、ごめんね?」
最後にもう一度謝り、ギャルから離れる。