哀恋 アイレン
しかし、その次の瞬間にうつ向いてしまった姿を見て慌てる。

「どないしてん…?」

「…なぁ、彼女出来たんやって?」

雨がうるさいはずやのに、
何故かやけに…はっきりと聞こえた。

いきなりの言葉に
びっくりしてただ見つめる。

1週間前から付き合っている彼女は、向こうからの告白。明るく元気で…どこか君に似ている女の子。

黙ってしまった俺に、無理やりのような笑顔が向けられる。

「……おめでと。」

たった一言。
< 13 / 16 >

この作品をシェア

pagetop